【金流出】 金と銀の価格について

金と銀が世界的な市場で取引されていない時代には、金と銀の内外価格差が原因でしばしばトラブルが発生しました。金と銀の価格の比率で見たときに、銀の方がはるかに割安な国からは銀が流出し、銀の方がはるかに割高である場合は、金が流出してしまったのでした。


【国別の差異が無い】 世界的規模での貴金属相場の重要性

昔は、国別や地域別に金や銀の価格差がありました。
このことによって、大量の金や銀が世界中を移動しました。
この貴金属の移動はなぜ起こったのかというと、ある特定の貴金属がより多く採掘できる割合は、その地域ごとに違うということから起こります。

例えば日本ですと、昔から金は銀より豊富に採掘出来たため、金と銀の価格差はヨーロッパのそれと比べて非常に小さかったのです。

ですのでヨーロッパから銀を持ち出して日本で金に換えれば、ヨーロッパでは大儲けできた・・・というわけです。(ちなみに、日本は銅がほとんど採掘できなかったので、中国から硬貨用の銅を仕入れなければならず、このときに日本が支払ったのが他所の地域では貴重な貴金属である「銀」でした)

視点を変えてヨーロッパの側から見てみると、ヨーロッパはヨーロッパで、金貨よりも小額取引に使用されていた「銀貨」が削りとられたりする被害が頻発しており、銀貨の通貨としての役割に支障をきたしてしまうことが起こり続けてしまったため、ヨーロッパ側も、金銀の内外価格差には頭を痛めていたのでした。
このように、各地域での価格差は数百年もの間、問題になり続けていたのでした。


【バラつきなし】 現在の貴金属の取引

現在の金の価格は、ロンドンで付けられた価格を元に各市場で取引されています。
そのロンドンでの「値決め」価格が各国の市場の取引価格の目安になっているのです。

ところで、このロンドンの「値決め」ですが、どうやって決められているのかというと、ロスチャイルド&サンズ社の2階にあるとされている(私は見たことが無いので・・・)「黄金の間」で、顧客の注文状況などに照らし合わせながら決められているそうです。

それにしても・・・「黄金の間」って、何だかドキドキするネーミングですね。
一体どんな場所なんでしょう?
部屋の前面に金箔が張り付けられていたりしてw

ところでこの金ですが、日本で金を買う場合は、「円」建てで買います。勿論、韓国では「ウォン」ですし、英国では「ポンド」建てで金を購入します。しかし、各取引所で取引されているのは「ドル建て」です。
ですので一旦、「円」を「ドル」に換えて金を購入するわけです。

しかも、金の重さも日本ではグラム表示されていますが、各取引所で使われているのは「トロイオンス」です。これも日本では、トロイオンスをグラムに切り替えて表示しているだけのことだったりします。
昔の混沌とした取引の状態を振り返るにつけ、現在の整備された取引がいかに洗練されているかが分かります。それにしても・・・世界の金の価格の指標されるほどの「黄金の間」での取引って、どんなふうなんでしょうね・・・。(一生のうちで一度だけでも良いので「黄金の間」を見学してみたいものです)

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