【世界】 外貨準備のデータ 【日本】
外貨準備とは、いざと言う時のために備えて貯えてある外貨です。
外貨とは言っても、そのまんま外貨で持っておくのではなく、普通は外貨を発行している国の国債などを買って貯えておきます。
なぜなら、そっちの方が利回りがよいので、長期間保管するにはもってこい(漬け込みして置くだけで儲かる)だからです。
では、世界の国々はどの程度の外貨準備を持っているのでしょうか。
Wikipedia の各国の外貨準備高一覧ページには、世界の国々の外貨保有高がランキング形式で載っています。
(下記の統計は2016年5月現在のものです)
順位 | 国・地域 | 外貨準備高(100万USドル) |
---|---|---|
1 | 中国 | 3,200,000 |
2 | 日本 | 1,248,107 |
3 | 欧州連合 | 720,159 |
4 | スイス | 604,911 |
5 | サウジアラビア | 592,658 |
6 | 台湾 | 425,978 |
7 | ロシア | 386,200 |
8 | 韓国 | 365,760 |
9 | インド | 361,601 |
10 | 香港 | 359,900 |
11 | ブラジル | 358,689 |
12 | シンガポール | 244,013 |
Wikipedia の元データはどこにあるのか?
Wikipedia では、世界の外貨準備高が公開されていましたが、これの元データはどこにあるのかを探してみました。
すると、多くの国の元データにIMFのデータが使われていることがわかりました。
でも、全ての国がIMFのデータを使っているわけではなく、別のソースからデータを持ってきている場合もありました。
IMFの外貨準備のページを見てみた
実際に、IMFの公式HPの各国の外貨準備のページを見てみると、全部英語で書かれてあります。
IMFの公式HPでは日本語への切り替えもできるようになっているのですが、外貨準備の書かれてあるページの日本語ページは存在していないようで、日本語に切り替えても上手く行きませんでした。
そこで、英語でどこに外貨準備の項目があるのか調べてみたのですが、どうやら Official reserve assets(公式準備資産)の項目が、外貨準備の総額らしいことがわかりました。
Wikipediaからは各国の外貨準備のページにしかリンクが貼られていなかったのですが、どこかに外貨準備のデータのある国一覧のページがあるのではないかと思い、ちょっと調べてみました。
すると、運良く外貨準備のデータのある国一覧ページが見つかりました。
ここから、外貨準備の統計のある全ての国へのリンクがあります。
(全部英語です)
そこで、Wikipedia の各国の外貨準備高一覧ページを元に、IMFのデータでランキングを書きなおしてみることにしました。
(2016年5月現在の統計です)
順位 | 国・地域 | 外貨準備高(100万USドル) |
---|---|---|
1 | 中国 | 3,305,445 |
2 | 日本 | 1,248,107 |
3 | 欧州連合 | 761,679 |
4 | スイス | 649,190 |
5 | サウジアラビア | 587,084 |
6 | 台湾 | ページなし |
7 | ロシア | 380,544 |
8 | 韓国 | 369,840 |
9 | ブラジル | 362,200 |
10 | 香港 | 361,987 |
11 | シンガポール | 361,987 |
12 | インド | 360,177 |
順位の入れ替えをしてみたところ、Wikipedia のそれとは若干順位が異なりました。
(1位〜5位くらいまでは外貨準備の量がぶっちぎってますので、変動なしですが)
IMFの公式HPで外貨準備保有額の多い国を見てみる
ちょっと面白そうなので、IMFの公式HPで外貨準備保有額の多い国を見てみることにしました。
中華人民共和国
A. Official reserve assets 3,305,445$
People's Republic は 『 人民共和国 』 と言う意味。
MAINLANDは 『 本土 』 と言う意味なので、中国 人民共和国:本土って意味になります。
香港とは別のデータになっているっぽいです。
香港の外貨準備と合計すると、3,667,432(百万ドル)になります。
(中国は外貨準備持ちすぎなので、もっと減らしたほうがいいですね。( ̄m ̄))
日本
A. Official reserve assets 1,248,107$
総務省の統計よりも少しだけ古いのか、IMFのページの統計で1,248,107$になっていますので、最新の外貨準備の統計を見たい場合は、総務省のHPを見たほうが良いと思います。
平成28年3月末における我が国の外貨準備高は、1,262,099百万ドルとなり、平成28年2月末と比べ、7,950百万ドル増加した。
外貨準備等の状況は以下の通りである
欧州連合
A. Official reserve assets 761,679$
欧州連合の外貨準備はこれだけですが、これとはまた別に、欧州各国の個別の外貨準備もあるようです。
総額にすると、かなりの外貨準備になりますので、計算はしていないですが、ひょっとするとユーロ圏全体では、日本よりも多い外貨準備を持っているかもしれません。
スイス
A. Official reserve assets 649,190$
スイスフランの無制限介入やら無制限介入の撤廃やら、色々と話題を提供してくれる、おちゃめキャラのスイスさんの外貨準備です。
Wikipedia の外貨準備のデータよりも増えていますので、大規模なのはやってないのかもですが、世界の投資家たちに隠れて、バレないようにこっそりと為替介入し続けてるのかもです。( ´艸`)
(無制限為替介入撤廃後のスイスフラン/ユーロのチャートが、ジワジワとスイスフラン安になっているので)
サウジアラビア
A. Official reserve assets 587,084$
戦費調達やら原油安競争を進行中やらで、やたらと出費のかさむサウジさん。
Wikipedia のランキングの外貨準備と比較すると、若干減ってしまっています。
(やっぱり切り崩してるんですかねえ)
台湾
IMFの外貨準備のページがありません。(´・ω・`)
ロシア
A. Official reserve assets 380,544$
原油安に経済制裁にウクライナでの戦費(表立っては戦争してない風に振る舞ってますが)と色々物入りのロシアさんも外貨準備を減らしています。
でも、ロシアの破壊的なルーブル安やロシア国債安(ロシア国債の金利上昇)の状態を考えると、外貨準備の減りは少ないくらいのように思います。
(出し惜しみ?)
韓国
A. Official reserve assets 369,840$
意外と外貨準備を持っていなかった韓国さん。
台湾と同等かそれ以上に外貨準備を持っているかと思っていたのに、ちょっと意外。
韓国ウォンは経済・金融危機の際に下落しやすい通貨なので、外貨準備はもう少し厚めにしておいてもよいかもしれません。
(通貨危機がきてから発動する通貨スワップよりも、予防線を張れる外貨準備の方がいいかも?)
インド
A. Official reserve assets 360,177$
BRICSの一角を担うインドさん。
ガチの新興国でこの外貨準備はすごいです。
この調子で頑張れば、人口が人口なだけに、数年で5位くらいまではいくかもしれません。
香港
A. Official reserve assets 361,987$
上記の中国本土の時と同様、People's Republic は人民共和国。
HONG KONGは香港って意味ですので、中国 人民共和国:香港って意味になります。
中国本土とは別のデータになっています。
本土と合計すると、3,667,432(百万ドル)になります。
香港と中国本土がバラかしてあるので薄まってしまっていますが、合計するとものすごい外貨準備です。
この統計が正確であるならば、中国は多少の通貨危機が起きても大丈夫かも?です。( ´艸`)
ブラジル
A. Official reserve assets 362,200$
あれやこれやと問題が起きているブラジルさん。
さすがに農産物やら資源の輸出やらで稼いでいるだけあって、あれやこれやの問題はあっても、結構な外貨準備をお持ちなようです。
(かなりの通貨高になった際には、ブラジル政府が極端な通貨安誘導をしたため、ひどい目にあった投資家さんたちも多かったようですが)
シンガポール
A. Official reserve assets 246,537$
国と人口の規模からすると、なかなか良い外貨準備です。
(国土は小さく、人口は少なく、売れる資源もない)
効率よく稼ぎ、効率よく富を蓄積し、上手く国政運営している感じがします。
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