【脱・円高デフレへの道】 流通するお金を増やす方法

もう何年間もの間、日本円高・デフレのままで、産業の空洞化とか倒産当たり前の状態になりつつありますので、ちょっと脱・円高デフレの方法について書いてみようと思います。

現在の日本(2012年現在)は、恒常的な円高&デフレなので、日銀さんがお札をドンドン刷って、日本国中にバラ撒けばいいのにと思うわけですが、現在は、日銀さんがいくらお札を刷っても、そのお金を金融機関の方で国債と交換してもらえないので、国内にお金を流通させれないと言う事態が起こっています。

※ ご注意 ※
今の状態(2012年)をわかりやすいようにセリフとして書いてますが、これらのセリフは完全にフィクションであり、実際に発言したセリフではありません。(^^


円高&デフレ&産業空洞化&倒産多数&雇用悪化
      ↓↓↓

日銀
おいこら、おまいら
市中に金を回すから、おまいらんのとこの日本国債買い取らせろやー (゚ε゚)

金融機関
嫌ですー (; ´∀`)
と言うか、日銀さんとこに買い取ってもらいたい国債とかないですー

日銀
いやいや、おまいらんとこの日本国債買い取って、おまいらに金渡さんと、市中に金が流れんからー (゚ε゚)

金融機関
でも、日銀さんに国債買い取ってもうても、わしら、その金でまた国債買うだけですやん (; ´∀`)
円高デフレが長いこと続いて、国内の製造業は焼け野原状態こんなんで投資資金欲しいとか言う会社なんてほんのちょっとですわ
しかも、日本国債バブル状態の昨今、折角持ってる国債を手放してまた買いなおせとか、どんだけ鬼畜なんですかって言う。。。

日銀
おまいら、日本がどうなってもええのんか?
んなことばっか言うてたら、円高デフレなんていつまでたっても収まらんど? (゚ε゚;)

金融機関
うちとこの会社、ボランティアちゃいまっせ?
うち、営利企業でっせ? (; ´∀`)
うちの会社にそんなん言うの、筋違いでっしゃろ?
ほんま、国内で投資先とか全然ないのに国債買えとか、どこの社会主義国やっちゅう話でね、すんませんけど、他所あたって下さい


とまあ、こんな感じで、非常に困った日銀さん。
政府にこんなふうに依頼したのでした。


日銀
金融機関が投資先ない言うてまっせ (゚ε゚)
国債買取りできんから、はよ投資先増やしてくださいよー

政府
投資は民間企業がやるもんやからー
政府に何かせいとか言われても困るしー (`ε´ )
それに金ないから無理やしー
他所あたってー

日銀
いやいや、そんなら国債発行して
大規模に公共事業とかやったらええでしょ? (゚ε゚;)
そのための国債ですやん
社会福祉なんかにせっせと金撒いても投資先は増えまへんで

政府
コンクリートから人へってことで当選しとんのに、今更そんなことできるかいな (`ε´ ;)
『 公共事業 = バラマキ 』ってイメージもあるし、そこそこの公共事業はチョコチョコできるけど、大規模にガツンってのはなかなか難しいからー

日銀
いやいや、老朽化したインフラ整備とか防災とか名目は色々ありまっしゃろ? (゚ε゚;)
ナンボでも言い訳できますやん
実際、地方とかインフラ老朽化しとりますし、こないだ東日本大震災もあったんで、防災のためとか十分に言えますやん

政府
いや、そういう問題やのうてね、ワシら今、消費税増税とか言うてんねんで? (`ε´ ;)
しかも、何か知らんけど国債発行額膨らんどるし、こんなもん、政府与党内の議員やら支持者らにどう説明すんねん
できるわけないやろ?


とまあ、そんなこんなで糞詰まり状態だったりする中、とある話が注目されるようになりました。

その話とは、金融機関が国債しか投資するものがない状態から抜け出すために、インフラ整備とか防災施設に国が大規模に投資をして(大規模に公共事業をして)、お金を国内にまわして、デフレを解消して、インフラ整備とか防災もしちゃって、円高も解消しちゃって、国内に企業を回帰させようと言う話です。


円高&デフレ
  ↓
日銀が国債買取りして市中にお金を回そうとする
  ↓
金余りで国債くらいしか投資先のない金融機関が拒絶
  ↓
市中にお金が流れない
  ↓
円高&デフレ継続
  ↓
公共事業(老朽化したインフラ整備や防災対策など、日本に必要そうなもの)で
金融機関にお金を借りる人(投資先)を増やす
  ↓
日銀がお金が必要になってきた金融機関から国債を買い取って、
市中にお金を回す
  ↓
円高&デフレ解消 + 老朽化したインフラ整備 + 防災対策
  ↓
日本に企業が回帰!
就職難解消!
雇用改善!
税収UP!


日銀
金融機関が投資先ない言うてまっせ (゚ε゚)
国債買取できんから、はよ投資先増やしてくださいよー

政府
おっけーおっけー (`ε´ )
ちょっと待っとき、今すぐ計画立てるから

      ↓↓↓
    大規模公共事業発注
      ↓↓↓


土建屋
何この仕事量! すごくね??? (゚∀゚)
人足りねー 機械足りねー 原材料足りねー
ちょっと機械いくらかかるか計算してみよー

機械メーカー
これだと2千万くらいかなあ (´A`)
ちょっと高いけど、ええ機械でっせー

土建屋
むうー、これ欲しいけど、ちょっとお金足らんなあ。。。 (゚∀゚;)
銀行行ってお金借りれるか聞いてみよっと

金融機関
公共事業で使うの?
お金払うのは政府?
それだと、取っ逸れで貸し倒れは起こりにくいかなー
つか、この契約受注できんの?
できれば貸したらんでもないけど? (; ´∀`)

土建屋
できるみたい
だからお金貸してー(゚人゚ )

金融機関
最近、こう言う会社増えたなあ。。。 (; ´∀`)
貸し出し増えたから金庫のお金少ななって来たし、もうそろそろ国債売って資金に変えたいなあ。
あ、そう言えば、日銀さんが国債買い取ってくれるとか言うてたっけ?
あれ、今でもやって貰えるのかな?

日銀
ん、国債買い取って欲しい?
今度また国債買取りパーティやるから、そん時に応募してー (゚ε゚)

      ↓↓↓
    市中に流れるお金の量が増える
      ↓↓↓

為替の投機筋
何か、日本の資金の流通量増えてきてNAI? (▼ー▼)
なら円の相場って、これじゃ高すぎるよNE?
円、売っちゃおかNA
適正な相場っていくらぐらいかNA?
ちょっと計算してみYO!

      ↓↓↓
    徐々に円安
      ↓↓↓

製造業の経営者
あれ?
何か円安になってきたみたい (´∀`*)
これやったら海外移転せんでも済むかも?
ギリギリまで待った甲斐があったー
円安で海外との価格競争力も出てきて仕事増えてきたし、
もうちょっと人でも雇うかなあ

雇用された人
(製造業&公共事業)
給料出たー (;; )
これで今の生活も人生も良くなるお
履歴書に職歴もかけるし、無職から卒業できる!
今日は奮発してお寿司屋さんに行って、
両親に美味しいお寿司をごちそうしよう
これからもっともっと頑張るぞー
欲しい物がいっぱいあるし、子供も欲しいから、
これから沢山稼ぐんだ!

      ↓↓↓
    と言うわけで、消費UP
      ↓↓↓

小売の人
何だか最近はちょっと高めのものでも売れるようになったわあ (^^ )
みんな金回りがよくなったみたい
国産の高めの商品とか敬遠されがちだったけど、
金回りが良いと、やっぱり良い物を買いたくなっちゃうわよね
あ、この商品切れかかってるから注文しとかなきゃ♪

国産の商品を作っている人
あれ?景気良くなってきたのかな? φ(゚∀゚ )
ここのとこ受注額が増えたみたい
ありがたやーありがたやー
今年はうちも、ちょっと贅沢しちゃおっと

税務署の中の人
最近は儲かっとる人、多いんかな? ( ´_ゝ`)
去年よりもようけ税金払う会社が結構あるね
こら、今年は税収増えるで
ちゅうか、もしかして景気回復してきとる?

地方の役所の中の人
助かったー (τωヽ)
税収伸びたよー
景気悪うて、うちとこの市は税収下がりまくリングやったから、
この先どうなるかと思とったけど、何とか生き延びることができた
でもまだまだ財政が危機的なんには違いないし、
お年寄りも多いからな、もうちょっと続けて欲しいかも 


脱・円高&デフレ政策の課題

これは、かの有名な高橋是清大臣が行ったデフレ解消の政策で、昔はこれでデフレ脱却に成功しました。

じゃあ、今の日本でもこれができるのかと言うと、どうなのかなあ。。。と言うのが正直な感想だったりします。それは以下の様な理由です。


1. グローバル経済なので、景気対策として使った費用が回収しにくい

景気対策の公共事業で働いて、給料を受け取る
    ↓
外国で作られた電化製品を購入する
    ↓
電化製品を作った国はウマー(゚д゚)だが、日本の企業は殆ど恩恵なし


2. 短期間で終わると投資として回りにくい

短期間の景気対策だと、金融機関からお金を借りるのは控える企業が増えるので、お金が回りにくくなるため。


3. 『公共事業=バラマキ』と言う印象があるので思い切ってやれない

公共事業はバラマキだーヽ(`Д´#)ノ と言う批判を恐れて、思い切った額をつぎ込めないので、デフレ脱出ができなままグダグダ状態で終わる。


4. 借金まみれなのに公共事業なんかするなと言う批判が出る


5. 公共事業をするのなら、消費税を上げるなと言う批判が出る


脱・円高&デフレ政策を成功させるために

とまあ、色々と壁の多そうな感じだったりする脱・円高&デフレへの道ですが、これを成功させるためには、以下のことが大切なんじゃないかと思います。


1. 今の日本ではこの方法がベストだと理解してもらう

借金の額が多い今の日本では借金が増えないにこしたことはないが、今の日本では、公共事業などの投資を国がやっていかないと、日銀の国債買取ができず(市中に流れるお金の量を増やしにくい)、円高デフレ対策できない状態にあることを理解してもらう。


2. 国内企業の商品を買ってもらいやすいような政策を追加する

給与として支払われたお金が、海外旅行や海外のものに支払われた場合、効果が減少するため。


3. 長期間継続して景気対策し、すぐに終わらせない

通常、短期間で終わってしまうものに、多額の投資をしようとは思わないため。


4. ちょっと景気が上向きになったからと言って、いきなり止めてしまわない

公共投資をいきなりやめてしまうと、投資資金の回収が終わる前に投資した企業がドボンしてしまう可能性がある。また、通常、いきなりやめられてしまう可能性があるものに投資しようと思わない。


5. 『公共事業=金を市中に回す手段=必要なインフラ整備』と言う情報を国民に流す

『公共事業=バラマキ=悪』と言う印象を払拭するよう心がける。
事あるごとにしっかりと説明し、『公共事業=金を市中に回す手段で必要なインフラ整備』と言う印象を国民に説明し、長期的に公共事業を行えるように心がける。


6. 消費税法案の付帯事項について説明する

法案施行開始時に、景気回復してたら消費税をUPしないと書かれてあることを知ってもらう。


7. 公共事業をせずとも、社会保障費として毎年1兆円ずつ増えていくことを説明する

高齢者が増えるため、公共事業をせずとも、社会保障の費用を削って行かない限りは、結局のところ、増税が必要になることを理解してもらう。


ヘリコプターマネーと公共投資の違い

ところで、市中に流れるお金の量を増やしたいのであれば、別に日銀が金融機関にお金をばらまかなくても、国民に直接お金をバラ撒いてヘリコプターマネー)しまったらいいじゃないかと言う論もあるわけですが、ヘリコプターマネーで直接お金の流通量を増やすのと、公共投資をすることで間接的にお金の流通量を増やすには、以下の様な違いがあります。


1. インフラ整備や防災への備え

《 公共投資 》
インフラ整備や防災設備を作れます。
また、インフラ整備や防災の技術開発や維持ができます。
雇用が生まれるため、失業者が減ります。

《 ヘリコプターマネー 》
インフラは作れませんが、コンクリなどの原材料費がかからないぶん、国民一人あたりの取り分は多くなります。インフラ整備や防災の技術開発や維持はできません。


2. 投資意欲が芽生えるかどうか

《 公共投資 》
公共事業に使う機器や原材料や加工品への投資が増えます。
長期間継続して行われるのが決まっている公共事業の場合は、投資資金の回収がしやすくなるので、より投資しやすくなります。

《 ヘリコプターマネー 》
直接に投資には結びつきにくいです。
消費が伸びれば国内の小売店や、国内外の製造業(輸入できるものについて国内とは限らない)に投資意欲が出ます。


3. 雇用に与える影響

《公共事業》
履歴書に書くことのできる雇用を、直接生み出します。
再就職に不利な履歴書の空白部分が減ります。

《 ヘリコプターマネー 》
直接的に雇用は生み出さないので、お金が得られても履歴書に箔は付きません。
ただし、ヘリコプターマネーで消費が伸び、小売店や一部製造業などで従業員募集されるようになれば、雇用される可能性もあります。


4. 市中に流れるお金

《 公共事業 》
輸入原材料や輸入機器のお金は海外に流れます。
国内で調達できるものについては、国内にお金が流通します。
給与として支払われたお金については、海外旅行に使ってしまえば海外にお金が流れ、海外で作ったものを購入しても海外にお金が流れてしまいます。

《 ヘリコプターマネー 》
お金に余裕のある人は貯金してしまうので、銀行に眠ってしまう死金が増えます。
この他、海外旅行に使ってしまえば海外にお金が流れ、海外で作ったものを購入しても海外にお金が流れてしまいます。


恩恵を受ける人

公共事業

・ 公共事業の従事者
・ 公共事業に使う原材料や加工品の製造者
・ 公共事業に使う機器の製造者
・ 公共事業に関わる企業が投資資金を借りるために利用する金融機関
・ 公共事業に関わる企業の従業員が買い物や利用するお店や施設
  (これプラス、それらの商品やサービス施設を作る国内外の人々)
・ インフラを利用する人
・ 防災施設のお陰で災害の被害から免れられる人


ヘリコプターマネー

・ お金を受け取る人(国民ほぼ全員)
・ お金を受け取った人が買い物や利用するお店や施設
  (これプラス、それらの商品やサービス施設を作る国内外の人々)


ヘリコプターマネーと公共事業とは、お金の流れ方も恩恵を受ける人や恩恵の受け方も大きく異なります。
現在の日本は、災害に備える必要があったり、高度経済成長期に作ったインフラが老朽化したりしてることもあり、公共事業を大規模に行うのに丁度良い具合になっています。

また、子ども手当を実施してみたり、生活保護世帯や社会保障費が増大しているにも関わらず、外需も内需も投資も冷え込んでいますので、円高&デフレ&不況の今の日本(2012年現在)には、ヘリコプターマネー的な対策は不向きであるように思います。


脱・円高&デフレのまとめ

長くなってしまいましたが、極々簡単に上記の内容をまとめると以下のようになります。


・ 脱・円高&デフレするには政府が公共投資(公共工事)を行うと良い
・ 長期間、大規模に公共工事を行うことで、脱・円高&デフレ効果が出る
・ ヘリコプターマネーとは、残るインフラや施設の有無が異なる
・ 公共事業の場合は、履歴書に書ける雇用が生まれる
・ 国内にお金が還流しやすいような政策を合わせて実施する


参考

日銀 -オペの札割れ(ふだわれ)とは何ですか?-

日本銀行の国債買入オペについての考え方を教えてください

大阪復活と列島強靭化論 藤井聡(PDFファイル)

スペシャル対談 麻生太郎×三橋貴明(動画・ニコニコ動画のアカウントが必要)

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