インフレターゲットについて

このページをUPしようと思ったきっかけは、 平素から塩漬け姉さんがお世話になっておりますのほほんさんから、インフレターゲットなどの視点で書いてみたら面白いのでは、というお話をメールにて頂いたからです。

インフレターゲットって何?

この世には、インフレターゲットというものがあります。
インフレターゲットというのは、中央銀行が市場に出回るお金の量を調節して、目標値(ターゲット)までインフレ率を上げる・・・或いはインフレ率を目標値まで下げる・・・という考え方です。
イギリスでは現在、後者のインフレ率2.5%にインフレ率を抑えるように調節するタイプのインフレターゲットが行われています。

そもそもは、後者の方の目標値までインフレ率を下げるためのインフレターゲット・・・というのが主流で使われていた言葉ですが、長々とデフレが続いている昨今、日本では、インフレ率を上げるためのインフレターゲット論も幅をきかせているというわけです。

福井総裁の前の総裁だった日銀の速水総裁などは、インフレ率を意識的に上げるインフレターゲットのことを、調整インフレと呼んで区別されておられたようです。
調整インフレはポール・グーグマン教授が唱え始めた論です。

調整インフレ損得勘定

株は調整インフレで得にならないものもあると言うご指摘を、のほほんさんから頂きました。
冷静に考えてみると確かにその通りだと思います。

通常のインフレで金利が上がるのであれば、金利負担が増えるため、多額の借金をしている企業にとってはマイナスだからです。ですので今回は調整インフレでおいしくなるもの・・・の株の項目は削除いたしました。


インフレと年金

年金は物価スライド制をとっているようです。
そのため、インフレになればそれにつれて年金額も増えていくというオイシイ仕組みが年金です。・・・ということは、今まではデフレだったので、年金は物価スライド制でカットされていた?と言うと、そういうわけでもないようで、老齢者の年金支給カットをしてしまうと、景気に良くないらしいぞ・・ということで、年金支給のカットはされなかったようです。

しかしながら、年金カットが行われないまま、ズルズルと3年の月日が流れた後、財政難でやっとこさ重い腰をあげ、年金額の引き下げを・・・。

(本心を述べますと、物価スライド制が様々な理由から、きちんと施行されないのであれば、いざインフレになったときに、本当に年金を引き上げてくれるのかどうか、少々不安になってしまったりもしてしまうわけなのですが・・・)


調整インフレの黒い噂

調整インフレには常に黒い噂がつきまといます。
例えば一例を申し上げますと、
「国と地方自治体の借金をチャラにするために、調整インフレと言いながら、お金を中央銀行にジャンジャン刷らせ、国中のお金をジャブジャブにして、いっぱいいっぱいに借りた借金を吹き飛ばそう・・・とたくらんでいるのではないか?」論です。(仮名)

確かに、日本の国の中で一番たくさん借金をしていて、最も動機がありそうなのは、日本国と日本国の自治体ですし、犯行を行いやすいという点でも、日本銀行の総裁は、内閣と衆参両議院の了解を得なければ就任できないわけでして・・・そのようなことで、その疑惑はいよいよ深まってくるわけなのです。

しかしながら、日本国は今デフレですし、デフレを解決するための金融緩和というのを考えますと、一応アリバイ(?)はあったりするわけです。
そんなこんなで、今のところ、国が借金をチャラにするために調整インフレを・・・というのは単なる噂の領域を出なかったりしてしまうわけなのです。

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