【株式指標を考える】 日経平均の歴史

※ こちらのページは、とある方からのメールを元に作成いたしました。

日経平均は、採用する銘柄の業種の偏りや、採用する銘柄の浮動株数(小型か大型か)によって、大きく左右してしまうタイプの指標であるかと思います。
(TOPIXの場合は、東証の全銘柄の時価総額の加重平均によって求められますので、このような偏りが起こりにくいのが特徴です)

そこで、日経平均の歩んできた歴史をたどることで、どのような変化が日経平均の株価指数に影響を及ぼしたのかを考えてみたいと思います。

日経平均の銘柄構成

昔は、合併や倒産以外は、日経平均採用銘柄構成はほぼ固定されていました。
(採用銘柄が固定されることによって、指標としての重みが出てきます)

しかし、1988年9月3日に(シンガポール取引所は1986年)に日経平均先物が採用されると、裁定取引が行われるようになったことで株価操作が行われやすくなり、小型の日経平均採用銘柄の異常高が起こってしまいました。この為、ネットバブルのときにハイテク株と小型の日経平均採用銘柄を大幅に入れ替えてしまいました。

ところが今度は、割高になったハイテク株に日経平均をすりかえて しまった為、ネットバブル崩壊と共に日経平均も崩れてしまいました。しかも、ハイテクバブルの頃にハイテク株に日経平均銘柄を入れ替えてしまったため、東証の全銘柄の時価総額の加重平均によって数値が求められるTOPIXと比較すると、なかなか値が戻らなくなってしまっています。(2006年現在)


日経平均の歴史

日経平均採用銘柄
(合併や倒産以外は、日経平均採用銘柄構成はほぼ固定)
     ↓
日経平均先物が採用されると、小型の日経平均採用銘柄の異常高が起こる
     ↓
ネットバブルのときにハイテク株と小型日経平均採用銘柄を大幅に入れ替え
     ↓
ネットバブル崩壊と共に、日経平均も大幅に下落
     ↓
日経平均の値が戻りにくい


株式指標と日経平均

↑のように、日経平均採用銘柄の構成によって、日経平均は株式指標として見る場合、若干注意が必要であるように思います。
ですので、もし、正確な東証の全銘柄の時価総額の増減を見て、相場の流れを正確に把握するのであれば、TOPIXを株式相場の指標の目安として考えておかれると宜しいのではないかと思います。


【日経平均の謎】 日経平均2万円説?

日経平均は昔の構成銘柄で考えると、今の段階で2万円を超えている(2006年現在)」
・・・などと、方々でまことしやかに囁かれております。

これは、ハイテクバブルの時代にハイテク株を日経平均の採用銘柄に入れ替えてしまったので、昔の銘柄構成にした場合は、2万円を超えているということなのです。
(詳しくは、【ホンマに?】 日経平均2万円説を実証をご覧下さい)

「じゃぁ、日経平均の採用銘柄を昔に戻せば・・・」
という考え方もできるかとは思いますが、そうなってしまうと、また昔のように、小型の日経平均採用銘柄の異常高が引き起こされてしまうのかもしれませんし、そこでまた、新たに日経平均の連続性が途切れてしまうのかもしれません。

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