【賛否両論】 両建てについて
「両建て」という投資方法があります。
株式投資だけではなく、先物にも為替にもあります。
では、両建て商いとは何なのかというと、同一銘柄の空売りと現物の買い(信用の買い)を両方立てる投資方法です。この両建て商いには賛否両論があります。
それは一体何故でしょう。
詳しく見てみたいと思います。
両建てが上手く行った場合
両建てが上手くいくケースは以下のような場合です。
【両建てが上手くいったケース その1】
A銘柄を1,000円で購入
その後、A銘柄が1,500円に急騰
そこで、空売りを行う
A銘柄が天井をつけているようなので、A銘柄を手仕舞う
信用売りを仕掛けてあったので、下げ始めたら儲ける。
※ 買いでも儲け、売りでも儲けの絶好調の取引です。
【両建てが上手くいったケース その2】
A銘柄を1,000円で購入
同時にA銘柄を1,000円で空売り
A銘柄が1,100円になったので、A銘柄を手仕舞い
その後、A銘柄が900円になったのでA銘柄の売り建てを手仕舞い
※ 買いと売りを同時に入れて、上げたところで買いを手仕舞い、下がったところで売りを手仕舞えた例です。
【両建てが上手くいったケース その3】
A銘柄を1,000円で購入
その後株価が1,100円になったところでA銘柄を空売り
A銘柄が1,200円になったところで両方手仕舞い
※ 売りと買いの損益の差額から、上手くさや取りができた例です。
このように、いくつか方法はあるのですが、これはあくまでも読みが上手くいったケースのお話であることが重要です。このようにとんとん拍子で上手くいかないケースも、実はたっぷりあるわけです。
両建てが上手くいかなかった場合
【両建てが上手くいかなかったケース その1】
A銘柄を1,000円で購入
A銘柄が800円に急落
その時点でA銘柄を空売り
その後、A銘柄が700円の時に利食いをして空売りを手仕舞い
利食い後A銘柄が500円に急落
その後A銘柄は買値に戻らず損切り
※ 空売りで小額は儲けられたけれど、さらに値を下げて買い建ての方で大損害の例です。
【両建てが上手くいかなかったケース その2】
A銘柄を1,000円で購入
A銘柄が500円に急落
その時点でA銘柄を空売り
その後A銘柄がドテン上げで900円になったので、損切りをして空売りを手仕舞い
ところがその後、A銘柄が再び500円になったので、結局買い建てを手仕舞い
※ 空売りで損し、買いでも損した例です。
【両建てが上手くいかなかったケース その3】
A銘柄を1,000円で購入
同時にA銘柄を1,000円で空売り
A銘柄が1,100円をつけたので、A銘柄を利食い
その後A銘柄が1,200円に急騰したため、損切りをして空売りを手仕舞い
※ 買いでは少し儲けを出せたけれど、利食い後の急騰で損失を出してしまった例です。
【両建てが上手くいかなかったケース その3】
A銘柄を1,000円で購入
その後A銘柄が1,200円に急騰したのでその時点で空売り
A銘柄が天井をつけているように見えたので、1,200円で利食い
その後、A銘柄がさらに値を上げたので1,500円で損切りをして空売りを手仕舞い
※ A銘柄の株価の判断ミスで、空売りを仕掛けるタイミングを間違った上に、損切りが遅れて損失が拡大してしまった例です。
両建ての本質を考える
両建ては、相場の読みが的確に行える人がやると、ものすごく投資成績が上がる方法かと思います。しかしながら、相場の読みがあまり上手でないので、リスクを軽減するために両建てをしよう・・・と言う場合は、かえって損失が膨らんでしまうように思います。ですので、まずは相場を的確に読めるようになってから、両建て商いを行うのが良いかと思います。
両建ては、リスクを軽減するためのものではなく、より大きく儲けるために行うものと言う認識である方が、よいかと思います。
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