【総理】 株と政治について 【大臣】
株と政治は関係が深いです。
それは、内閣が為替への対処の仕方や、さまざまな農業や銀行の事柄を決めているからです。金融庁の大臣は銀行への監査のあり方や公的資金の注入などの権限を握っていますし、国有株を放出する権限も持っているので、その時々の大臣の姿勢によって、株価は大きく左右される可能性があるのです。
金融政策と株
皆さんは竹中ショックを覚えていらっしゃるでしょうか?
竹中大臣の金融政策に銀行株が反応し、暴落してしまったた一件です。銀行は、不良債権処理や経営内容や持ち株比率など監督官庁の金融庁から厳しく監督されています。
(この他にも、日経新聞の報じた、UFJ銀行の貸出先査定に関する内部資料の調査を金融庁が行うと報じられ、株価が暴落してしまった件もあります)
ですので、次の政府の閣僚が誰になるのか?
それは、株を売買・保有している人々には大変関わりの深い事柄なのです。
今ではまったく面影はありませんが、竹中大臣が大臣に就任してしばらくは、怒涛のごとく非難されていました。不良債権を始末するために大々的に外科手術をおこなったからです。その当時は、景気の先行きは見えないと盛んにマスコミでも取り上げられ、そんな時に血の出るような大手術をするのか!というのが、竹中大臣を非難していた人々の主張でした。
私の意見で恐縮ですが、竹中大臣は功績はあったのだと考えています。(一応、念のため申し上げておきますが、あくまでも、銀行株でいくらか儲けたからそう言っているのではないです)
どのような経緯があったにせよ、不良債権額は減り、銀行の経営は立ち直りつつあるからです。不良債権額や、未返済の公的資金が減っていくのを見ることは、なかなか良いものです。
それに、三井住友銀行やUFJ銀行が海外の投資会社が増資を引き受けられたのも信用力が回復した兆しがあったからだと考えています。(これについては、優先株の配当金(利子みたいなもの)が高すぎて、結果的には不利だとか、色々賛否両論あるかとは思いますが)
農業政策と株
農業政策のあり方は、日本の株式相場に影響するものがあります。
古い話では、オレンジや牛肉の輸入自由化です。
どの製品をどのくらい輸入する・或いは輸入規制するかは、そこに様々なビジネスチャンスを生みます。
輸入牛肉のみのメニューを出している外食産業でしたら、輸入牛肉の輸入制限がかかると不利な状態に陥りますし、その一方で、牛肉の代わりに消費者に買われると見込まれている海産物系の会社の株価は、急騰します。(これについては、鳥インフルエンザの影響で、豚肉と海産物くらいしか安全に食べれそうなものがないという、市場心理の影響という、ダブルの要素も関係しています)
風が吹けば桶屋が儲かるという仕組みで、この規制をかければ、この業種が儲かり、この規制をかければ、この会社が厳しくなるということが結構起こっています。
また、日本国内においても、もし農業政策が自由化されれば大手企業が農業に参入してきますので、そこで、その企業の株もまた左右されてきます。そういえば、経済特区でカゴメがトマトの生産をし始めたとか言う噂もちらほら。
企業が、農業に参入すると消費者側にとっては結構なメリットがあります。
国産の食品を低価格で口にすることができるからです。
企業は農業に適した農地を大々的に買い込み、大量に単価の安い飼料を仕入れて、効率的に管理し(今までは経験に頼っていた作物の管理方法に対してのマニュアルも作るかもしれません)、生産調整もするようになるでしょう。
自前で輸送して販売経路も簡素化して、中間マージンを極力はぶきなどなどと、つらつらとあげだしたらきりがありません。もし、トヨタが農業に参入したりできるようになったら、きっとさぞ効率的な農業を行うことでしょう。
ただ、農家の方々の視点から見ると、そんなことをされたらたまらん!ということになると思います。大幅に生産コストを下げ、大量に売り込んで市場価格が値下がりしたら、今までの小規模農業では太刀打ちができないからです。
たぶん、今後しばらくはないとは思いますが、本格的に農業に対する規制緩和が進んだら、きっと、日本の農業の形は大きく変わるでしょう。
私はあくまでも投資家ですし、一消費者ですので、できれば農産物は安全で安いほうが良いですので、ぜひとも規制緩和をしていただきたいとは思うのですが・・・。
為替政策と株
為替政策は、もっぱら輸出・輸入企業の株と関係があります。
ですので、為替を担当する財務大臣の意向は大変に重要です。
市場原理に任せているといずれその国の適当な価格に落ち着くだろうから為替介入はしないほうが良いと言うのでほぼほったらかしであるのならばそれでも良いと思うのです。
ただ、為替介入をしてでも円高になるのを食い止めたいと思っている大臣が就任してしまったら大変です。日本の税金を使って大量のアメリカドル(国債も)買うのです。
日本の台所事情だけでなく、アメリカの債券市場まで影響を与えてしまいます。
ところで、この為替介入は、日本だけが行っているものではありません。
アジア諸国の多くが為替介入をしてドルが下落していくのを防いでいます。
もし為替介入をしなければ通貨が上昇してしまい、国際競争力が低下してしまうからです。
ですので、ドンドンと下げ行くアメリカの通貨を、輸出しまくっているアジア諸国は必死に買い下がっているのです。
もし、今、アジア諸国のアメリカドルや債券の買いがなくなれば、アメリカの債券やドルは大幅に下落してしまいます。また、アメリカのドルや債券が下落すると、アメリカの長期金利が上昇してしまいます。
これは、アメリカの住宅バブルを崩壊させてしまいますし、アメリカからの投資資金の引き上げを招きます。これではアメリカの景気は冷え込んでしまい、輸出企業の収益も悪化してしまいますので、日本はもとよりアジア各国の政治家の考えている通貨政策についても、しっかりと見ておいたほうが宜しいかと思います。
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