ゴーヤバトル

昨年はゴーヤが大収穫であった。
いや、「大収穫」というよりは

「採れすぎ」

・・・と言うほうが適当であろう。
そこで、今年はゴーヤ栽培はしないように母と私は決めていた。
しかし、しばらくすると父がこんなことを言い始めた。

「ゴーヤはまだ植えんのか?」

その父の言葉を聞いて猛然と怒り出したのは母である。

「ゴーヤ?今年はあかんで。ゴーヤだらけになるんやから!」

父はその言葉を聞いて何か言いたそうだったが、不思議なことにじっと押し黙っていた。そんな父の姿を気にすることも無く、昨年のゴーヤだらけがよっぽど欝だったのか、その後も母はゴーヤに関して何やらブツブツ言い続けたのだった。

その後しばらくは平穏な日々が続いた。
月日は流れ、ほうれん草の収穫も終わり、畑にスペースが生まれたので、次は何を植えようかと母と2人で悩んでいたら、父が再びこういった。

「ゴーヤ植えるんか?ゴーヤ買ってきたろか〜」

母はそれを聞いてマジギレである。

「もう!!買うたらあかんゆうてるでしょ!買うたらあかんで!!!」

母に完膚なきまでに一蹴された父は、何かブツブツと呟きながらその場を立ち去ったのだった。
その数日後、ほうれん草を抜いた後の畑に、見慣れた苗が鎮座していた。
「ん?何だろう・・・」
私は恐る恐るその葉を指でつまんで臭いを嗅いでみた。
するとあの懐かしい臭いが・・・

「ゴーヤだぁ〜」

何と驚いたことに父は誰にも気付かれないように、隠れてゴーヤを購入し、畑に誰も居ない間にコッソリとゴーヤを植えていたんである。
母にその事を早速密告すると、母曰く・・・

「植えてしもたもんはしゃーない」

・・・との事。
こうしてうちの父親は、とうとうゴーヤを植え付けるのに成功したのであった。

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